こんにちは、長月です。
今回は、昭和生まれの私がオススメしたい懐かしの少女漫画を3作ご紹介します!
おすすめ1 【こどものおもちゃ】 作者・小花美穂
少女漫画雑誌「りぼん」で連載されていた作品。単行本全10巻。連載期間は1994年〜1998年。
あらすじ
主人公・倉田紗南(くらたさな)は劇団こまわりに所属する人気子役タレント。TVのバラエティ番組やドラマなどで活躍しながら地元のごく一般的な小学校に通っている女の子。
そこではクラスメイトの男の子・羽山秋人(はやまあきと)が担任をイビるなど日常的に悪事を行い、学級崩壊と言える状態になっていて正義感の強い紗南は羽山がなぜそのような悪事を重ねるのか原因を探り始めます。羽山の家庭に複雑な事情があることを知り、放っておく事が出来ずなんとか解決出来ないかと考え、ほぼ強引に羽山とプライベートでの接触を試みます。結果、羽山の家族が話し合うきっかけとなり徐々に和解へ導くこととなりました。
時にお節介とも思えるような行動力と悪事を黙って見過ごせない正義感を発揮して様々な問題に全力でぶつかっていく様子が爽快です。
感想
家庭問題、学校でのトラブル、大人の理不尽、思春期の恋愛の三角関係など、作中で描かれているテーマは重めですが、登場人物が漫才のようなノリで激論を交わしたり、ブラックな発言をした相手に突然ピコピコハンマーでツッコむなどギャグ的要素もふんだんに盛り込まれているため、暗くなり過ぎずに終始楽しく読めると思います。
大人になった今読み返すと当時の懐かしさが蘇るのと同時に、作中に登場するこども達の一生懸命さや大人に対する諦めや怒りなどにドキッとしてしまいます。自分は今、こども達にとって信頼に値する大人になれているかと。
昔読んだことのある人も、大人になった今再読すると新たな視点で楽しむことが出来る作品だと思います。
2010年には紗南と羽山の大人になってからの様子が描かれている番外編『Deep Clear』が発表されています。こちらも是非読んでほしいと思います!
おすすめ2 【瞬きもせず】 作者・紡木たく
少女漫画雑誌「別冊マーガレット」で連載されていた作品。単行本全7巻。
連載期間は1087年〜1990年。
あらすじ
山口県の高校を舞台に描かれる青春ストーリーです。
主人公・小浜かよ子は特に目立つ女の子ではなくごく普通のおとなしいタイプですが、ある日同級生でサッカー部の紺野くんに告白され付き合うことになります。
初々しくもお互いに好意を寄せ合い、時にすれ違いながらも周囲の友人達に見守られながら想いを育んでいく様子が丁寧に描かれています。
田舎での生活や自分の家族に対する漠然としたコンプレックスや苛立ちのようなものを抱えながら、それでもその時を悩みながら懸命に生きる日々が続きますが、やがて高校卒業後の進路を考えなければならない時期が訪れます。
サッカーに夢をみる紺野くんは都会で就職し社会人チームでサッカーを続ける選択をします。かよ子は地元に残るか紺野くんと共に東京へ行くかの選択に迷い、家族の反対にあいながらも悩んだ末に一緒に東京へ行く選択をします。
憧れの都会で好きな人と一緒に新たな生活を始め希望に満ちていた2人ですが、やがて厳しい現実に直面します。
仕事に追われ、思うようにサッカーに打ち込めない生活が続き疲れ果て余裕を無くす紺野くんと、故郷とは違う人の冷たさを知り傷つき故郷への想いが募るかよ子。徐々に2人の心の距離は離れていきます。追い討ちをかけるように、かよ子の家族が倒れるという出来事が重なり、かよ子は紺野くんに別れを告げて故郷の山口へ帰る決断をします。
物語のラストは、悩んだ末に紺野くんも故郷の山口へと帰り、お互いの存在の大切さを再確認した2人がもう一度一緒に生きることを選んだところで終わります。
感想
現実の厳しさを知らない子どもじみた漠然とした都会への憧れ、若さゆえに持ち得る行動力で故郷を飛び出し、やがて現実を知り諦めることを受け入れ自分なりの人生を生きていこうとする。
青春時代という全てが輝かしい時代から大人へと変わっていく数年間が、美しく切なく描かれています。
主人公たちは故郷から都会へと旅立ち何か大きな夢に成功するような、いわゆる特別な存在ではなく、そうではないその他大勢の人間として描かれています。だからこそ様々なシーンに感情移入できたり、自分の若い頃に重ね合わせて懐古する事ができる作品ではないでしょうか。
今も色褪せない名作だと思います。
おすすめ3 【ホットロード】 作者・紡木たく
少女漫画雑誌「別冊マーガレット」で連載。単行本全4巻。1986年〜1987年。
こちらは紡木たく先生の代表作と言っていいでしょう。
2014年には能年玲奈(現・のん)さん、登坂広臣さんで実写映画化もされましたね。
あらすじ
主人公の少女・宮市和希(みやいちかずき)は中学2年生の14歳。父親を幼いころに失くし母親と2人で暮らしている。
母親とはうまくコミュニケーションがとれず家庭にも学校にも居場所を見出せない日々を送っていたある日、友人の絵里と一緒に遊びに行った先で不良少年・春山洋志(はるやまひろし)と知り合い、彼の属する暴走族グループとつるむようになっていく。
どこにも居場所が無いと感じていた和希は次第に春山に惹かれ始め、彼らと過ごす時間が多くなり学校にも行かなくなってしまいます。
感想
多感な時期の少年少女が抱える悩みや危うさ、登場人物それぞれの気持ちがとても丁寧に描かれている青春ストーリーとなっています。
上で紹介した「瞬きもせず」は高校生から大人へと成長する物語ですが、「ホットロード」は思春期を迎えた子どもが少しずつ親から離れ自分の世界や居場所を見つけていく時期の物語だと思います。
危ういことへの憧れや大人への反発、主人公たちと同じ年齢の頃に読めば主人公達に感情移入するでしょう。しかし大人になった今読むと彼らを見守り根気強く向き合おうとする周囲の大人たちの気持ちが痛いほどに分かります。
子どもを育てる親になった今だから読んでみるのもいいと思います。
まとめ
今回は3つの作品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
どれも有名な作品なので、すでにご存じの方も多いと思いますがまだ読んだことのない方がいたら是非読んで欲しい作品です。
昔読んだことあるよという方は久しぶりにまた読んでみてはいかがでしょう!?
当時とは違う視点で物語を楽しめるかもしれませんのでオススメします♪
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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